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野菜作りの経過と現状

菜園の開始 − 土作り

入手した土地は沼地を造成して宅地化したもので、粘土質であり乾くと岩みたいになる野菜作りには全く適さないものでした。
何とか野菜作りを行いたいと思い、建設業者に依頼し山から赤土を運んで盛り土したのが現在の菜園の始まりです。
最初は肥料分も無く栽培出来る野菜も限られたものでした。何とか土を肥えさせようと農家から牛糞を車で運んでもらい菜園にすき込んだり、市販の堆肥や腐葉土多く施しました。
化成肥料もたっぷり施し、虫が出ると農薬もたくさん散布しましたので、2,3年もすると色々な種類の野菜が何でも良く出来るようになりました。

連作障害の発生

ところが、5年もすると肥料をたくさん施しても上手く出来ない野菜も出来てきました。 連作障害により根にこぶが出来る根こぶ病にやられたり、薬剤散布を頻繁に行わないとすぐ油虫が発生したり、いままで見かけなかったバッタ類が大量に発生したりと、害虫と駆除のいたちごっこになってきたのです。 
それでも、肥料と農薬を沢山施すと、まだまだ良く育つ野菜の種類が沢山あり、しばらくそのままの方法で野菜作りを行っていました。

自然農法へ転換

肥料を沢山やって、農薬で害虫を殺しながら野菜を作る事は、どうも仕事の一部みたいな傾向が感じられ、だんだん熱意が保持出来なくなってきました。何とかもっと自然に近い方法で、手をかけるにしても畑の掘り起こしや薬剤散布ではなく、初めて経験するような方法で野菜を作ってみたいというという考えからはじめたのが、不耕起栽培という方法です。
畑を耕すのはミミズに全面的にお願いする。そのために肥料は落ち葉や草を主体とし農薬は使わない事を原則とするというものです。

不耕起栽培の実践

畝は時々土寄せして野菜を植える場所と歩く場所は区別出来る様にしました。歩く場所には剪定枝や時には木や竹の枝を敷き、あまり踏み固まってしまわないようにし、畑には全面に公園や山等で拾ってきた落ち葉を敷き詰めました。油虫が発生しても農薬散布はじっと我慢し、当面野菜が収穫出来なくても見守る事にしました。雑草は野菜が見えなくなるほどには放任しないが、ある程度は野菜と共存して貰うようにしました。ある野菜を収穫後一旦耕して次の野菜を植える方法ではなく、次々に別の野菜を植えていく方法としました。


自然農法/不耕起栽培による虫たちの活動の変化

まず、ミミズが大量に発生しました。土寄せを行うときミミズを切ってしまうので気を使う程でした。

次にテントウムシの数が急に多くなり、野菜の葉がテントウムシの蛹だらけになることもありました。テントウムシにより油虫が食べられ、また肥料を与えないので野菜に油虫の発生自体が少なくなり、テントウムシの数も減って来ていますが、それでも以前大量に発生していた種類の油虫は殆どみかけなくなりました。

少し遅れてカマキリの姿もよく見かけるようになりました。カマキリが増えるにしたがって、以前毎年大量に発生し葉を穴ぼこだらけにしていた種類のバッタが殆ど見かけなくなりました。以前菜園に乱舞していたイラガもちらほらとたまに見かける程度に減って来たようです。

最近は足長蜂が巣を作るようになりました。以前スモモにモンクロシャチホコが発生するとかなり広範囲の枝が丸坊主にされていたのですが、最近は細い枝の一部が食害され、あとはいつのまにかいなくなるようになりました。足長蜂の良い餌になっているようです。
増えたのは益虫だけではありません。ナメクジが急に増えた様です。また蟻も増えました。蟻とナメクジは専用の駆除剤用の容器に駆除剤を入れ、おびき寄せて退治しています。

最近の菜園

これまで自然農法/不耕起栽培で野菜を育てていた場所は、果物や山菜の栽培エリアのに徐々に侵食され、キウリやネギ、ナス、ブロッコリ、それに殆ど勝手に毎年生えてくる小松菜の変種、イチゴ等僅かな種類となりました。代わりに2年程前から別途土地を借り、宮菜園別館として新規に野菜作りを行っています。こちらはまだ殆ど赤土に少し肥料が入った程度なので、都度野菜を植える前に堆肥と鶏糞を施しています。農薬と化成肥料は種蒔や苗の頃に主にネキリムシ駆除様に使用しますが、なるべく使わないで育てるようにしています。野菜はあなぼこだらけに成る事も多いですが、それが自然と考え虫の残り物を頂くよう心がけています。

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