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接木について


接木には色々な方法があり、木種や時期、接ぐ位置等により最適な方法を用いれば良いと思います。又、その方法も、使用可能な接木用資材の改善等により変わって来ます。ここでご紹介する方法や内容は、あくまで個人の好み等を含む内容ですので、説明内容や例はあくまで一つの例として参考にしていただければと思います。
現在、個人的には大きく以下の2種類の方法で接木を実施しています。

宮式高接方式 − 芽接ぎに近い為、少ない穂木で沢山の接木が出来、一箇所に沢山の品種を接ぐ事が可能です。
(こちらのページでご紹介)


変形切接方式 − 通常の従来の切接ぎに比べ、浅く長く削る事により、台木と穂木の太さ関係にとらわれない接木等が可能です。
(こちらのページでご紹介)


接木の予備知識

接木の方法や時期等を説明した本や資料は沢山あり、通常はこれらの記述内容を参照して頂ければ良いと思いますが、一般的な説明通り行なってもなかなか上手く行かない場合もあります。
まずは形成層を的確に把握し、なるべくそれを広い面積で密着し、穂木からの水分蒸発をなるべく少なくする事が基本なのですが、これらをいかに上手く行なっても、木種によっては接木は成功しません。
逆にこれらをあまり上手に行なわなくても接木が容易に成功する木種もあります。要は物理的な接木の技術とは別に、木の性質を知りそれに応じた接木をすることが非常に重要という事になります。
以下に幾つかの例を上げて見ます。

@葡萄
 葡萄の高接ぎは12月から5月頃までの通常の休眠枝への休眠枝の高接ぎではまず成功しません。
 台木側が旺盛に成長し葉が茂る頃になると(関東では6月ころ)、台木側の枝を切っても樹液が出なくなりますが、休眠枝に休眠枝は、この頃が接木の適期です。
 春に新しく伸びた新鞘[緑枝)に休眠枝を接木する方法は、新鞘が勢いよく伸び始める4月中旬頃から接木可能で、活着も容易です。
 又、新鞘に今年成長した緑枝を接ぐことも出来ます。この場合穂木の緑枝は、少し生育が進んで芽が固まってきたものを使用します。
 新鞘に休眠枝又は緑枝を接ぐ場合、新鞘は未成熟で勢いのあるほど活着し易いですが、あまりに未成熟だと折れたりして扱い難いので、割り接ぎしやすい適度な生育時に行います。
 穂木、台木とも勢いの良い充実している必要があり、接木後旺盛に生育出来ない状態の場合、伸びた枝が負け枝になり、翌年伸びた枝
 から芽が出ず失敗の可能性が高くなります。

Aキウイ
 葡萄の様に休眠期の接木は不可という訳ではありませんが、3月頃に接木した場合、4月の発芽するころ台木側からの樹液が大量に出て、
 接木の失敗する確率が高くなるので、新鞘がある程度伸び、台木側の枝を切っても樹液が出なくなる頃(関東では4月中旬)が適期です。

Bフェイジョア
 3月頃には葉メモしっかりしており、一般的な見方からすると、暖かくなった3月頃が接木の適期の様に思いますが、このころ接木しても、
 ほぼ100%失敗となります。先端の芽が開きはじめる5月頃以降が接木の適期になります。
 ヤマモモもある程度この傾向がある様です。

Cもも
 桃はかなり接木の容易な部類にはいりますが、慣れないと、花芽だけの枝を接いでしまいます。丸い大き目の芽は実はこれは花の蕾であり、
 ここから葉が出ることは無く、花芽だけの穂木をついでも失敗という憂き目にあいます。
 大きな芽(蕾)に挟まれた小さな芽が葉芽ですが、この葉芽がある穂木を接木する必要があります。

Dアボカド
 アボカドの接木は充実した良い穂木であることは大切ですが、台木側の状態がさらに重要です。すなわち、接木した時点で根からの栄養等の
 吸収が十分行なわれ、台木側から新芽が出ているかすぐ出る状態になっている必要があります。
 台木側の芽等に動きがない状態では、接いだあと穂木から芽が出ることはあるものの、台木から十分な養分補給が続かず、せっかく出た穂木の
 芽が成長出来なかったり、枯れてしまったりします。
 そのため、アボカドの接木は台木側が成長する状態となる5頃から8月頃が適期となります。

以上、木の特性に着目して代表的な注意事項等を述べてみましたが、実際の接木際しては、機種により注意が必要な事があると理解し、
失敗したら、木種の特性があるという事を思い起こし、調べたり新たな方法などを考えて頂けたら良いのではないかと思います。


接木した木種の表示

接木する品種が少ない場合はあまり問題になりませんんが、1本の木に数十種類接ぐような場合、接いだ枝の品種名の表示が無いと、どの品種なのか判らなくなり、品種管理が出来なくなります。
品種を示すラベルを着ける必要があるのですが、ラベルはなるべく簡単に出来しかもほぼ確実に残るような方法にする』必要があります。
宮菜園では以下の様な3段階の方法で品種表示を行なっています。

@接木時には黄色のビニールテープに黒の油性ペンで記入し接木部に表示
 本方式はテープやインクの質、雨や紫外線の程度によりますが、2年程度から5年程度が限界です。



A接木が成功し、枝が成長した時点で、テプラ印刷したラベルを透明のテープで保護し取り付けて表示
 本方式の寿命はテープの質などにより異なりますが、@の数倍と考えています。
 以下は表示例です。文字が消える期間は画期的に長くなります。
 ビニールテープはラベルの保護の他、幹の成長に合わ自然に結束部が広がり、成長を阻害することもありません。
 なお、成長を見越し、ラベルの無い部分を長めに取っておくと良いでしょう。
 その他、今後の検討事項ですが、ビニールテープの性質などに関係し、接着が弱くなり、ラベルが剥がれてしまう可能性が
 ホッチキス止めておくほうが良いかも知れません。



ビニールテープを伸ばすときは少し注意が必要です。巻いてあるテープを伸ばしていく再、単純引っ張るとしばらくすると戻る力が加わります。
そのため、ラベルを挟んだテープが、しばらくすると、以下の2例の様に、丸まってしまったり、片面だけ短くなり波打つ感じになる場合があります。


ビニールテープの歪を少なくする為には、巻いてあるテープを伸ばす場合に少し工夫が必要です。
すなわち、単純にテープのロールから引っ張ってはがすのではなく、左右交互にはがしていく必要があります。
下の写真の、テープ上に白っぽい線が出るよう、交互にロールからはがしていくと、ラベルを挟んだテープが丸くカールしてしまう不都合が出ません。



B@やAの表示が失われた場合の為、樹形図を作成・保存
 
 ビニールテープは通常かなり長期間保持出来るのですが、寿命はありますし、風等により取れてしまったりする可能性もあります。
 その際の保険として、樹形図を作成しています。
 樹形図があれば、少しくらいのラベルの消失が有っても、品種の特定は可能になります。




2022年3月22日更新: 葡萄の接木内容、接木した樹形図の変更 

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