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接木時期成否一覧

変形切接方式

真冬から初夏までほぼ時期を問わず、比較的簡単に出来る宮式高接方式による接木を長年行って来ましたが、宮式高接方式では以下のような欠点があり、接木が不可能に近かったり、失敗し易かったり、作業が困難な場合がある事がわかりました。

@宮式で実施したフェイジョアの接木は一回も成功しませんでした。又、ブルーベリーも芽は出るものの、成長までいけるケースは多くありませんでした。
A太い穂木を頂いた場合、接木が非常に困難でした。
B基本的に一個の芽しか接がないため、その芽が虫に食われてその後発芽しなかったり(桃等)、芽に樹液がかかり発芽出来なかったりする(梅等)場合がありました。

これらの欠点をカバーする為には切り接ぎが良いのですが、通常の切り接ぎが実施出来るような理想的な枝が入手でき、また台木の枝が用意出来るとは限りません。そこで、概ねどのような枝でも対応出来るよう、穂ギ、台木とも皮ぎりぎりまでのカットとし、穂木を出来るだけ長くした接木を行うようにしました。
この方法は、従来の接木テープでは不可能に近く、近年発売を開始したメデールの様な新しい素材の接木テープの採用により可能となりました。


特長
穂木と同じ位の太さの枝からかなり太い枝にも接木可能。(ただし、最良なのは台木より穂木が少し細い位のもの)
自由な位置に複数箇所の接木が可能。
作業が容易。(高度な熟練が無くても成功率が高いと言った方が良いかもしれません)

方法
@用具
まずは剪定バサミ、カッター、それに接木用のテープ、名札用ビニールテープ(写真では黄色のテープ)、記録用の油性ペンをそろえます。これらはいずれもホームセンタの園芸コーナーで販売されています
カッターは歯が肉厚のしっかりしたものより、100円程度の小さな切れ味の鋭いカッターの方が便利です。

穂木削り - 2012年5月4日 撮影
穂木を削ったところです。皮をはぐ位の浅いカットの場合に、理論的に形成層の面積が最大になります。多少曲がって削れても、活着にはたいした影響はありません。写真右が根元側ですが、根元側は反対側を斜めにカットしておきます。
穂木の様子 - 2012年5月4日 撮影
フェイジョアの場合、穂木を15cm以上位に長めに取ると発芽後の勢いが良いようです。活着・発芽し易い木種では長い穂木にしなくても問題ありません。、

削った台木- 2012年5月4日 撮影
台木側を穂木を削ったh長さに合わせて削ります。この場合も、節など止むを得ない部分以外、木質部はなるべく削らない様にします。根元側には穂木を差込安定させる為の切り込みを入れたほうが接木テープを巻くときに簡単になります。
接木テープで接合- 2012年5月4日 撮影
穂木を台木に合わせ、メデールにて結束します。穂木の芽の出る予定の部分は、メデールが2回蒔き以内になるようにしておいたほうが安全です。何回も蒔くと芽がメデールを突き破り難くなります。
麻紐等でしっかり固定- 2012年5月4日 撮影
メデールの飢えから麻紐等でしっかり固定します。この際、穂木と台木に隙間が出来ないよう、強めに結び付けます。この際穂木の途中に蕾があれば其処にはなるべく紐は巻かない様にします。
発芽- 2012年6月23日 撮影
上手く活着すれば、穂木の先端や紐を巻いた間から芽が出てきます。フェイジョアの場合、台木から出てくる不定芽の芽掻きはなるべく頻繁に行います。

種類・時期

フェイジョア: 新芽が伸び始める時期(埼玉では5月初旬から中旬ころ)が最適です。尚、穂木は採取後なるべく早く(数日位)接ぐ方が良い様です。

2018年1月21日更新

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