接木事例    TOP PAGE  菜園インデックス  接木 
 果物  山菜  野菜 

接木事例(キウイ、桃、柑橘類等)  葡萄の接木  桜の頃の状態  実が太る頃の状態  次年度早春の状態 


接木事例について

宮式高接の方法は概ね各果物とも同様なのですが、果物の種類により芽が大きい物、小さい物、芽が無い物、花芽にたいする注意が必要なもの、形成層の判断が難しいものなど、細かい点(ただし重要)で注意と配慮が必要です。
代表的な例として、モモ(花芽に注意要)、柑橘類(芽が無い)、キュウイ(形成層が少し判りにくい)について、台木の削り方、穂木のカットの方法/注意事項をご説明します。

モモの接木の事例
@モモ、アンズ等には大きな花芽が付いています、花芽は接木の為には不用(というか邪魔です)ですので、接木の際には必ず葉芽が有ることを確認し、花芽は掻き取る必要があります。
    
A左右の花芽を掻きとり、中央の葉芽だけにした状態の穂木です。

B左が台木、右が花芽を掻き取った穂木です。概ねこれくらいの太さの違いがあると作業が容易で成功率も上がります。細い穂木しか入手出来ない場合、台木も細めの方が接木は容易ですし、穂木が太い場合台木も太くないと接木は難しくなります。 C台木をカットします。右手はナイフの角度を決めるだけとし、左手の親指で押して削っていきます。

D木質部に少しかかる程度の浅い位置に葉を進めますので、あまり力は要りません。親指で軽く押しながら削っていきます。右手には削る為の力は一切加えない様にします。 E適当なところまで削ったら穂木を押さえる為の切りこみをいれます。

F今度は逆方向に向けて削っていきます。この際親指で押さえながら右手でナイフを押して削ります。ナイフを少し押しながら刺身や肉を切るようにスライドさせるとスムーズに切れます。 G飯台方向にも切りこみを入れて台木の切りこみは完了です。この例では握っている方が根元の方向ですが、心持根元の方が深く削り過ぎです。先端部方面の方が理想的な深さに削られています。

H穂木を削る前に半分に割ったところです。割っただけでは表面がでこぼこしており、うねりがある場合もありますので、軽く削り平らにします。 I軽く削ってうねりと小さなデコボコを無くした状態です。

Jはめ込む為の斜めの切り込みを入れた状態です。先の方は少し斜めにカットするとはめ込みが容易になります。 K台木に穂木をはめ込んだ状態です。

L穂木をはめ込んだら接木テープをまきます。 M芽の部分だけ残して密封状態になる様接木テープをまいていきます。芽の部分にはテープをすべり込ませる様にすると隙間無く巻けます。

N最後にテープをより合わせた上で台木と穂木を強めに縛り(こうすると多少うねりや隙間があっても密着します)、ほどけ無い様に結んで完了です。 O接木する種類が多い場合、忘れない様に接木した日付、品種名などを記載したビニールテープを巻いておくと良いでしょう。ビニールテープを長めにしおけば、枝が太ったぶんだけテープの接着がはがれ、かなり年数が経ち幹が太くなっても表示しておくことが出来ます。

柑橘類の接木の事例
@台木と穂木の太さの差は以下の写真位が理想的です。まず台木を写真の様に削ります。 A次に穂木を割ります。通常穂木は前年成長した新鞘を使用しますが、柑橘の新鞘はよじれたり平たくなったり色々な形になる事が多く、真ん中で割っても面が歪んでしまいます。芽の出るほう(葉が付いていた方)を厚めしておかないと接木する部分を薄っぺらに成るまで削らざるを得ない場合があります。又、形によっては芽の出る部分が少し斜めの位置になる様な方向で削ると接着面積を広く取れる場合も少なくありません。穂木の形を見て決める必要があります。

B穂木を台木に取付けるところは他の果物と同様です。 C葉の付いていた部分まで丁寧に接木テープをまき、乾燥を防ぎます。

D葉の付いていた部分の先を少し空け、それ以外は接木テープで密封します。この後、穂木が歪んでいるようなら、テープをよじり、強く穂木を台木に縛りつける様にします。 E穂木の太さにより台木を削る太さを変えた例です。左から穂木が極細、細い、適当な場合です。左側は木質部が殆ど見えていない状態です。薄く削れば中心部分は殆ど形成層という様になりますが、一歩間違えると皮の上に接木する形になりますので、中央と右位の深さに削るのが無難です。

キュウイの接木事例
@キュウイの接木の台木は充実した2年生枝が良い様です(1年生枝でも可能ですが、中心が空洞になっている事が多く、削るときに注意が必要等少し難しい)。写真は2年生枝の通常のカットの例です。 A穂木が太いため台木を深く削らなければならない場合の例です。この例では形成層が見かけ上薄くなりますので、穂木を少し傾けるなどして形成層が1箇所はくっつく様にしておいたほうが良い様です。

B台木の木質部にぎりぎりまでの極浅く削った例です。この場合、中心付近は全て形成層という形になります。その代わり外側は全て皮となりますので、注意が必要です。穂木がかなり細い場合に有効です。 C穂木を取付けた例です。穂木は細く充実した枝の方が接木は容易なようです。

  TOP PAGE  菜園インデックス  接木  果物  山菜  野菜