挿し木
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挿し木について


これまで、色々な品種の果物を育てる為、主に一本かそれ以上の台木を用意し、その台木に接木していたのですが、それだけでは以下の様な幾つかの問題点が出てきています。

@接木が難しい品種やそもそも台木が無い品種の穂木を入手出来た場合の品種保存
A台木と穂木との相性を確認する為の台木量の確保
Bブルーベリーや矮性台の様に比較的多くの台木を必要とする場合の台木量の確保
C台木用品種の確保

そこで、挿し木により木種の保存を行ったり、台木の増殖を試みていますが、以下の様な課題があり、それにに応じた方法にて実施したり、実施方法を模索しながらの挿木となっています。
@潅水が自由に出来ず、最大2週間程潅水無しに成る事(木種全体)
A発根が困難な木種があり、挿し木の時期や方法のノウハウ獲得。

そこで、@の潅水が自由に出来ない問題点を解決する為、池に鉢を入れて育てる 「池ポチャ方式挿し」、Aの問題点解決の為、時期や挿し方を色々変えたり、挿し穂を密封する等の方法を試しています。

それらの失敗の経験を元にして、毎年少しずつ方法を変え挿木を行っています。

2020年の挿木の様子  − 前年度までの経験を元に、土は菌の少ない赤球土や鹿沼土を使用、水切れ防止の為トロ箱への挿木の場合底に少し水が溜まる様工夫、葉を着けた新枝の挿木は、乾燥防止の為密封式とした。

池ポチャ挿し

以下は2009年の挿し木結果です。2009年は、ブルーベリー以外失敗が多かったのですが、原因は接木で余った枝の挿し木が多く時期が遅れ気味だったことに加え、日射量の調整を行わなかった事、虫やナメクジ等の食害の対策を怠った等によると考えています。
2010年は、2009年の失敗の結果を踏まえ、挿し木の時期等失敗の原因に対する対策を行い、成功率を上げたいと思っています。

池ポチャ方式の各種木種の例は、右のページでご紹介を行っています。  池ポチャ方式挿木2010年の状況

ブルーベリーの緑枝挿し − 2009年4月18日撮影
昨年7月20日に新鞘の緑枝を挿したものです。各穂木に葉を半分ほどつけて挿し木を行いました。21本挿して18本生きていました。一本抜いてみたら発根していたのでほぼ成功のようです。全てラビットアイ系です。
ブルーベリーの緑枝挿し − 2009年11月3日撮影
だいぶ成長しましたので、そろそろ植え替えようと思っています。

ブルーベリーの休眠枝挿し1 − 2009年4月18日撮影
3月1日に挿し木したものです。芽は出ていますが発根は未確認です。ハイブッシュ系が中心ですが、確認と台木を増やす意味からラビットアイ系も含めています。
何本かは発根して成功しましたが、2割位の成功率であり、あまり良い結果ではありませんでした。穂木の問題、時期、日当たりの問題などが考えられますが、明確には理由が判りません。4月に挿し木した方がはるかに成功率が高かったので、時期による違いかどうかは確認して見たいと思っています。

ブルーベリーの休眠枝挿し2 − 2009年4月18日撮影
4月5日に挿し木したものです。ハイブッシュ系が中心ですが、今年入手した台木用のシャシャンボの剪定屑も挿してみました。1mm以下の細い貧弱な枝が多いので、過度な期待は出来ませんが、何本かは活着してくれる事を期待しています。
ブルーベリーの休眠枝挿し2 − 2009年11月3日撮影
4月5日に挿し木したものです。非常に貧弱なシャシャンボの剪定屑を含めてハイブッシュ系の品種が概ね根付いてくれました。

各種果物の休眠枝挿し − 2009年4月18日撮影
3月1日挿したアンズ、南水梨、栗、水島柿、スモモ、バイオチェリー、桃、フェイジョア等です。挿し穂としては、接木には太すぎたり、細すぎたり、曲がっているもの等を用い、接木に最適な穂木は接ぎ増しのために確保しておきました。発根はまだ未確認です。
この後秋までに根付いたのは、スモモが3本、ユスラウメの台木が3本のみで、その他は全滅でした。この挿し木鉢の日当たりが良すぎた、ナメクジ等虫に食われた、そもそも挿し木が難しい品種だった等要因が考えられますので、来年は失敗要因は改善する様にして、再度トライする予定です。

黒竜藤 − 2009年4月18日撮影
4月5日挿した黒竜藤です。小野田さんの家に柿と柑橘を接木しに行ったとき頂いてきたものです。これは結果的に枯れてしまい、失敗でした。
ユスラウメ台木 − 2009年4月18日撮影
3月1日挿したユスラウメの台木です。上手く育ったらユスラウメを接いで、モモやプルーン、スモモ等を接いでみる予定です。

余った穂木の秋挿し − 2010年3月15日撮影
秋になり、約1年保管していた余りの穂木を11月23日に挿し木したものです。この頃まで生き残った穂木は、木種によりますが、概ねカルスが盛り上がっており、いかにも挿し木すると根が出やすい状態になっていました。
とりあえず、リンゴ、梨、キウイ、ブルーベリーの挿し木を行って見ました。梨以外は小さな芽が出て来ました。保存後の挿し木に少し興味がありますので、引き続いてご紹介したいと思っています。
余った穂木の秋挿し − 2010年8月1日撮影
春に小さな芽が出ていたリンゴ、梨、キウイは結局成長せず枯れてしまいました。生き残ったのはブルーベリーだけでした。ブルーベリーは、暖かすぎたり、水分が少なかったりするとあまり活着しないのですが、水気の多い池ポチャでは大変成績が良い様です。木種により水分が多くても良いもの、少なめの方が良いもの等、発根する為に最適な水分量が異なるようです。

メダカの日光浴 − 2009年4月18日撮影
池を挿し木床にされているとも知らず、日光浴を楽しんでいるメダカの集団です。
池の様子 − 2009年3月2日撮影
挿し木苗の芽が出る前の状態ですが、池の中に赤レンガとか石とかを入れ、そのうえに挿し木床(植木鉢)を置いています。池の水位はあまり変わりませんが、時々ポンプでくみ上げた井戸水を追加しています。


右のページで比較的発根率の良くないフェイジョアの挿し木の状況をご紹介しています。  フェイジョアの繁殖


変形牛乳パック挿し

欧州系葡萄の挿し木が、発根初期成長後の成長が悪い為、雨避け栽培が容易に行えるよう、牛乳パックに挿し木し、ビニール袋に入れ育てています。

牛乳パック挿しの各種木種の例は、右のページでご紹介を行っています。  牛乳パック挿し 2010年の状況


牛乳パックへの挿し木 − 2010年2月7日撮影
牛乳パックの底に小さな穴を開け、15cm〜20位の穂木を挿したものです。一番上の芽だけ残し、他の芽はナイフで削ってあります。
一番上の芽にも薄く土を少し被せています。
牛乳パックへの挿し木 − 2010年2月7日撮影
全体を大きなビニール袋に入れ密封しています。現在、温室内に一袋、外に一袋置いてあります。もう一袋くらい作成し、しばらく日陰寒いところに置くものも試して見る予定です。
 
牛乳パックへの挿し木 − 2010年3月28日撮影
芽が出始めたので、袋の口を持ち上げ木に吊るしました。これで20cm位まではこのままで成長可能の見込みです。

従来の手法による挿し木

挿し木の経験はそれほど長くないのですが、失敗が多いながらも手軽な為用いている手法です。
概ね寒い時期に、トロ箱や植木鉢に挿し、乾燥防止の為ポリ袋で密封する方法です。水分は土から供給するよう、トロ箱や植木鉢は半分位土に植えます。こうすると、最初にたっぷりと水を与えると、あとは給水不要です。少なくとも何もしないで乾燥だけは防げます。又比較的小規模の密閉式の温室でも同様な効果が得られます。いずれの場合も、温度が上がりすぎる時期は挿し木には向きません。
尚、従来の手法言葉はあくまでも個人的なもので、一般的な従来の手法という意味ではありません。現在の自分の菜園に費やす事が可能なタイミングと時間長から言って、本手法で行えるものは今後とも利用していくつもりです。成功例をご紹介してもあまり面白くないと思いますので、失敗例の方が多くなると思います。

2010年-1 植木鉢への挿し木は黒かびとキノコの発生
今年第一号の従来方式による挿し木は黒かびによるほぼ失敗に近い状況です。
この後、挿し木の土は、赤玉土(又は鹿沼土)+バーミキュライト(保水用)+モミガラクンタン(殺菌用)+種蒔専用の土(栄養) にて行う事としました。
種蒔専用の土は栄養分があるので少し不安なのですが、完熟という様な説明が合ったので、とりあえず使ってみる事としました。
肥料の全く無い挿し床が良いのか、少し肥料があった方が良いのか、まだ把握出来ていない状態です。
アセロラ1 − 2010年2月27日撮影
12月27日に挿し木したものです。なんとキノコが生え、黒かびが葉にびっしりと付、穂木は枯れかかっていました。過湿が主因ですが、今回挿し床に使った安いプランター用土が良くなかった様です。
アセロラ1 − 2010年2月27日撮影
12月27日に挿し木したものです。こちらはましな状態です。たまに換気した効果と土の成分が少しマシだったための様です。ただ、少し黒かびは発生しています。

ヤマモモとザクロ1 − 2010年2月27日撮影
12月27日に挿し木したものです。キノコが生え、黒かびが発生しヤマモモ(森口)は殆ど葉が落ちてしまいました。ザクロ(種無し)だけは元気です。発生したキノコは一応抜き取った状態です。
ヤマモモとザクロ2 − 2010年2月27日撮影
12月27日に挿し木したものです。キノコが生え、黒かびが発生しヤマモモ(秀峰)は全て枯れてしまいました。ザクロ(カルホルニア)は元気です。まだキノコが発生し続けています。

ナツメとグアバ − 2010年2月27日撮影
12月27日に挿し木したものです。キノコが生え、黒かびが発生しイエローグアバは殆ど葉が落ちてしまいました。大雪ナツメは元気です。発生したキノコは一応抜き取った状態です。
品種不明ヤマモモ − 2010年2月27日撮影
1月1日に挿し木したものです。多分実生の品種不明のヤマモモを6種ほど挿し木したものです。こちらは、水滴がびっしり付くほど過湿ですが、キノコもカビも生えてません。土の種類は不明です。

2010年-2温室内の露地挿しはほぼ順調
温室内の露地への挿し木はまず葡萄が芽を出して来ました。葡萄は牛乳パック挿しも行っていますが、温室内のものは早めに芽を出し、そのまま成長させる事が出来るので、緑枝接ぎでの利用、雨避け栽培での苗木育成に有効と考えています。
ロザリオロッツ − 2010年3月23日撮影
1月31日に挿し木したロザリオロッツです。順調に勢いの良い芽が出てきました
ゴルビー(?) − 2010年3月23日撮影
1月31日に挿し木したゴルビー(?)です。芽が出てきました。?が付いているのは、他の品種の可能性もあるとの事で、まだ最終的な品種名が不明な為です。実が成ってみればはっきりすると思います。

2010年-3 露地への挿木

キャンベルアーリー − 2010年7月11日撮影
畑に直接挿木したキャンベルアーリーです。葡萄は発根し易いので、病気に強い品種なら畑に直接挿木しても活着してくれる事が多いようです。

2020年12月23日更新: 2020年挿木の様子のページへのリンク追加

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