梨    TOP PAGE  菜園インデックス  果物  梨作業記録  山菜  野菜 

梨について

子供の頃山に行って梨を取った記憶があるのですが、すごく硬くてあまり甘みも無かった様な記憶があります。
収穫時期適当ではなかったと思いますが、もともと野生の梨なので品質も良くなかったのだと思います。
近所で栽培していたわけでも無く、岩手ではあまり食べる機会も無かった様です。
一方、ここ埼玉では近隣の市町村で梨の営利栽培が行なわれており、和梨を中心に安く出回っているので、夏から秋に
かけて、店頭で見たり食べたりする機会が多くなりました。
梨は赤星病等病気に弱く、決して作りやすい果物では無いですが、そのみずみずしい美味しさには逆らえず、見栄えは
悪くて美味しければ良いと割り切って、虫食いだらけの梨を作って楽しんでいます。

育てている種類

   品種名    特性
愛甘水 熟期7月下旬〜8月上旬の早生赤梨。  品種登録NO  2352 ,品種登録日 1990/08/04、消滅日 2002/08/06
あきづき 熟期9月中旬〜下旬。550g〜600gの大形果実。    品種登録NO  9401 ,品種登録日 2001/10/18、消滅日 25年。
明水(あけみず) 熟期8月初旬の早生種。 品種登録NO 5554 ,品種登録日 1997/03/19、消滅日 2013/03/20。
愛宕梨 熟期が11月頃になる超晩生の超大型種。 品種登録無し。
稲城 熟期9月初旬から中旬。大きいものはソフト大位になる大実品種。市場にはほとんど出回らない貴重な美味しい品種の様です。 東京稲城市特産。 品種登録無し。
王秋 熟期11月ころの晩生ラグビーボール形の大型種。  品種登録NO  11118 ,品種登録日 2003/03/17、消滅日 25年。 
幸水 熟期8月初旬から中旬の早生品種。 品種登録無し。
ゴールド二十世紀 熟期9月中旬の中生種。青梨。  品種登録NO  2932 ,品種登録日 1991/12/16、消滅日 2009/12/17 ※期間満了
コミス 熟期10月初旬ころ。正式名称はドウィエネ・デュ・コミス。稀少性の価値から幻の洋梨。甘みが強く滑らかな食感の食味が良いフランス原産の洋梨。 品種登録無し。
シルバーベル 熟期10月下旬頃の晩生種。ラフランスの実生で、サイズはラフランスより大きい。 品種登録無し。
新興 熟期10月中旬〜11月下旬頃の赤梨大形晩生種。 品種登録無し。
新水 熟期8月初旬の早生種。 品種登録無し。
新星 熟期は豊水より少し遅い種類.。  品種登録NO  526 ,品種登録日 1984/03/19、消滅日 2002/03/20 ※期間満了
筑水 早生種であり8月初旬が熟期。 品種登録無し
長十郎 塾期は豊水と同じ位。病気に強く多収系。 品種登録無し
長寿 熟期8月初旬の早生種。 品種登録無し
なつしずく 熟期8月初旬の早生品種。青梨系。   品種登録NO  16480 ,品種登録日 1995/09/14、消滅日 2007/09/15。 
夏光(なつひかり) 塾期8月中旬の赤梨。 品種登録NO  4729 ,品種登録日 1984/03/19、消滅日 2002/03/20 ※期間満了
南水 熟期9月中旬頃。  品種登録NO 2293 ,品種登録日 1990/06/13、消滅日 2008/06/14 ※期間満了
新高 熟期が10月頃になる晩生の大型種。 品種登録無し
バートレッド 熟期8月中旬頃の早生洋梨。 品種登録無し
豊水 熟期9月初旬の赤梨。  品種登録無し
マルゲリッドマリーラ 熟期9月初旬の早生品種。最大1kgほどにもなる大実の品種。 品種登録無し
ヤーリー 熟期11月ころの晩生中国梨。甘味は穏やかで香が良い。 品種登録無し
陽水 熟期9月下旬から10月上旬の晩生大形赤梨。  品種登録NO 8739 ,品種登録日 2001/03/13、消滅日 2015/03/14
ラフランス 熟期10月初旬の普及度の高い洋梨。  品種登録無し
金系ラフランス ラフランスの変種で、甘味が強いと言われている品種。   品種登録無し
ル・レクチェ 熟期10月中旬頃の晩生種。 品種登録無し
その他 岩倉菜園で育てていた和梨2種、中国梨1種を接木して栽培中。

梨の樹形








剪定


梨は花芽が付きやすい果物ですが、種類により異なる特性を持っていますので、最適の状態にする為には、種類毎にその特性を生かした剪定が必要です。
花芽の付き方:
@新鞘の長果枝に花芽が付き、実が成った部分に次年度は花芽が付かないタイプ
 幸水、豊水 
A新鞘に花芽が付き難く、短果枝に花芽が継続して付くタイプ
 20世紀、新高
B新鞘に花芽が付き難く、短果枝に花芽が付くが、次年度は花芽と成らないタイプ
 新水
短果枝の付き方:
@弱剪定と同様前年新鞘の先端の方に付くタイプ(新鞘根元からは芽が出ない)
 豊水
A中剪定と同様、新鞘全体に短果枝が付くタイプ
 幸水、20世紀
B強剪定と同様、短果枝が付き難いタイプ
 新高、新水
剪定方法:
以上の花芽の付き方と短果枝の付き方は基本的な性質であり、実際の剪定は樹勢を考慮しながら行う事になりますが、例として概略以下の様な剪定を行います。
幸水 − 充実した長果枝を入れ替えながら実を成らせる
豊水 − 新鞘の根元から短果枝が出るよう強めの切り返しを行い、実の成る短果枝を利用
新水 − 短果枝が出来にくいので切り返し剪定を弱めにし、前年の新鞘を多く残す

受粉

梨は通常他の品種の花粉で受粉しないと実が成りません。宮菜園では1本の木に色々な品種を接いで育てており、現在は概ね蜂等によりお互いの花粉が混ざり合って受粉して、実がなっている状態です。ただ、受粉に適当な品種間の開花時期が合わないと、着果が安定しない事が考えられますので、開花時期のデータを収集して今後の安定した着果を目指したいと考えています。

2009年の開花状態
2009年の梨の幼果
2009年の実の成熟状態

成長の様子
ラフランス台の全体像 - 2009年4月12日 撮影
ラフランスの台木を適当な高さで3方向に誘引し、そこから出た小枝に色々な梨を接いでいます。中央付近の白い部分が花です。
ラ・フランスの花 − 2009年4月12日撮影
ラ・フランスの花です。和梨に比べると葉も花も小さく控えめです。

ラフランスの着果 − 2011年5月22日撮影
ようやく木が落ち着いて来たのでしょうか、殆どの単果枝に花が咲くようになり、殆どの花が実止まりするようになりました。
ラフランスのとテントウムシ − 2011年5月23日撮影
梨にはアブラムシが着き易く、しかもアブラムシが着いた葉は丸まって閉じてしまい、実の生育似影響があるほか、見た目も良くない状態になりますが、テントウムシがせっせとアブラムシを食べてくれたおかげで、被害は殆ど有りませんでした。実のそばの赤いのが幼虫で、もうすぐ親になります。ご苦労産でした。

ラフランスの実 − 2011年8月15日撮影
袋無しなので虫に食われるのを覚悟して多めに実をつけたのですが、まだ虫食いも無く、一寸多めの実成りとなってしまいました。時々小さな実や形の悪い実を摘果しています。
ラ・フランスの実 − 2009年10月5日撮影
熟期を迎えたラ・フランスの実です。この頃になるとあまり追熟を行わなくても食べられます。

梨の摘果 − 2010年5月5日撮影
受粉状態が良ければ一つの短果枝に5個位の実がなります。
梨の摘果 − 2010年5月5日撮影
とりあえず、形の良さそうなのを、1〜2個残して摘果します。
最終的には、葉の数等を見て、数個の短果枝に1個位の実になるよう摘果します。

袋掛け1 − 2019年6月28日撮影
このところ、ところどころが少しへこんで硬くなる症状が出るようになったので、袋掛けを行いました。日当たりが良い部分は、通常の市販の袋を使用しました。
袋掛け2 − 2019年6月28日撮影
日陰の部分は、裾開きのポリ袋を使用しました。

長寿の花 − 2009年4月12日撮影
長寿の花です。枝は小さいですが、花芽はしっかり付いています。
長寿の実 − 2009年8月1日撮影
長寿の実です。宮菜園では一番早く熟す部類です。既に完熟状態です。

長寿の実 − 2020年8月4日撮影
長寿の実です。今年も完熟トップバッターでした。

明水の実 − 2014年7月19日撮影
明水の実です。そろそろ食べごろです。

幸水の花 − 2009年4月12日撮影
幸水の花です。長果枝に花芽が付くのでまばらになりますが、長めの枝にまんべんなく付く形になります。
幸水の実 − 2009年8月1日撮影
幸水はスーパー等で梨の初物として売り出されます。まだ少し早いですが、そろそろ食べごろの時期です。

幸水の実 − 2020年8月4日撮影
そろそろ食べごろの時期です。

夏光の実 − 2016年8月7日撮影
夏光は早生の赤梨です。そろそろ食べごろです。

ゴールド20世紀の花 − 2009年4月12日撮影
短果枝に花が密生します。次年度はこの短果枝に花芽が付き難いので、適度に枝を更新していく必要があります。
ゴールド20世紀の実 − 2009年9月5日撮影
完熟状態の実です。20世紀は通常の梨にはないパリパリした食感とみずみずしさが特長です。

ゴールド20世紀の実 − 2020年9月21日撮影
多少か熟気味で、大分濃い色になって来ましたが、まだまだみずみずしさは健在です。

豊水の花 − 2009年4月12日撮影
短果枝に花が密生します。次年度以降もこの短果枝に花芽が継続して付く事が多く、リンゴ同様一度短果枝が付くと毎年同じところに実がなります。
豊水の実 − 2009年9月5日撮影
完熟状態の実です。豊水は幸水ととも梨を代表する品種といえるのでしょうか、幸水が終わって一段落したころ店頭に大量に並ぶ品種で、幸水やゴールド20世紀と違った味わいの美味しい梨です。

愛宕の花 − 2009年4月12日撮影
短果枝を中心に花芽が密生します。実付きも良いようですので、摘果には要注意です。実が大きいので、成らせる数は思い切って少なくする必要があります。
愛宕の実 − 2009年12月7日撮影
完熟状態の実です。愛宕は甘みも少なく大味のイメージなのですが、完熟状態になると結構美味しい品種と思います。

新興の実 − 2020年9月21日撮影
多産系の様です。そろそろ食べられるレベルになって来ました。

バートレッドの実 − 2009年8月21日撮影
赤みが差した綺麗な形の実です。

愛宕台の樹姿 - 2007年6月3日撮影
ラ・フランス台のバックアップとして育てています。ラ・フランス台に告いだ品種はこちらにも接ぐ様にしています。
愛宕台へのバートレッドの接木 - 2009年4月18日撮影
愛宕台に洋ナシのバートレッドを宮式で接いだものです。特に接木部をにビニール等を被せる必要はありません、比較的容易に活着し、台木の樹勢さえ強ければ、接いだ年に1m近く成長します。

ラフランス台の着果状況 - 2008年6月29日 撮影
実が大分大きくなって来ました。正面の幸水はゴルフボール大位になって来ています。
ラフランス台の状態 - 2008年8月3日 撮影
品種により差がありますが、実が大分大きくなり、もう少しで食べられそうな状態になってきました。

岩倉NO1 − 2009年8月19日撮影
色、味とも馴染みの多いタイプではありません。何と言う品種か判りません。20世紀と幸水等の赤梨の中間的な色で食感は20世紀に近い感じです。熟期は早く既に完熟を過ぎている感じです。
岩倉和梨NO2の実 - 2008年8月3日 撮影
豊水の実に似ているようです。

岩倉中国梨の花- 2014年4月5日 撮影
岩倉さんちの中国梨の花です。当初実の形から洋梨かと思っていたのですが、実の具合や葉の形から中国梨の様であると判断しています。ただ品種名は今のところ不明です。
岩倉中国ナシの実 − 2014年9月21日撮影
まだ収穫には早いですが、そろそろ着色して来ました。

岩倉中国ナシの実 − 2014年10月25日撮影
完熟状態です。このまま食べても少し時間を置いてから食べても良く、みずみずしくパリパリ感がありとても美味しいです。
岩倉中国梨の花- 2018年3月26日 撮影
今年は随分開花が早いです。まだ他の品種は蕾なので、このままでは授粉が出来ません。開花終わりの時期にでも、他の品種が開花し始めてくれる個とを期待するしか無いですね。

新高の実 - 2008年8月3日 撮影

別館洋梨の樹形 - 2012年6月18日撮影
別館の梨の木です(草に隠れて一寸見難いですが)。こちらは洋ナシ主体ですが、和梨とリンゴを接木し育てています。
別館洋梨の樹形 - 2018年3月26日撮影
別館の梨の木です.。岩倉中国梨の花が満開近くになってます。残念ながら、他の品種は未開花です。
赤星病 - 2016年5月2日撮影
梨の代表的な病気である赤星病(中央のオレンジ色の2個の斑点)です。洋梨は比較的この病気に強く、和梨と中国梨は弱いです。
4月〜5月の展葉時期に10日に一回位殺菌剤を散布すると防除効果が高い。

2023年12月更新: 樹形図(リンゴ接木)の変更。
2022年2月27日更新: 樹形図、品種情報の追加。
2022年2月27日更新: 樹形図、品種登録情報の追加・変更。
2021年2月2日更新: 品種追加。樹形図の変更。
2019年7月15日更新:  袋掛けの写真追加
2018年3月26日更新

 TOP PAGE  菜園インデックス  果物  梨作業記録  山菜  野菜