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実生苗、台木、接木について

柑橘類の実生苗は、比較的親の性質に似たものになるという事で、何種類か食べた後の種を蒔いて育てています。まだ実生苗の実の確認が出来たものはありませんが、気長に育ててみたいと思っています。
ただ、実生苗は実が成るまでに20年ほど必要な事が多いようですので、色々の種類を試す為には接木が重要になります。
実生苗の実をならせると言うのは、もの好きな趣味の世界の事か新品種開発等の研究分野の事なのですが、実は柑橘の生産において、実生苗は苗の台木としてなくてはならない存在となっています。
近年は新しい品種の台木も出来ているようですが、長い間カラタチの実生苗が柑橘類の主要な台木として利用され続けています。

実生苗の柑橘類

以下の柑橘類の実生苗を育ててみています。

フルーティー、土佐ブンタン、サンフルーツ、紅甘夏、三宝柑、マーコトオレンジ、グレープフルーツ(黄)、グレープフルーツ(ルビー)、イヨカンカボス、ヒューガナツ、スイーティ、サンクイーン、小ミカン、紅八朔、アンコールオレンジ、タンカン、セミノール、清見オレンジ、ジューシー、紅マドンナ等。

接木の経過

ミカンは私の菜園では比較的新米です。最初は早生2種、ユズ、夏みかん等をそれぞれ植えていましたが、場所が狭い関係から、一本の木に色々な柑橘類を集約出来ないかという事で始めたのが、接木のきっかけです。接木は最初はなかなか上手く活着しませんでしたが、宮式高接方式考案・導入と経験を積む事により成功率も上がり、近所や知り合い等から新しい品種を頂く事も多くなり、、種類も大部増えて来ました。 
以下は接木による枝の種類の増加状況です。

2001年の結果
結局夏みかんだけが成功しました。成功率20%位。かんきつ類の接木は以外と難しい!
又今年の秋と来年春に挑戦します。
ポイントは、以下のようです。
@なるべく太目の充実した枝(その年伸びた枝)を使う
A芽が出る部分以外テープでしっかり巻き接いだ枝の水分が蒸発しない様にする。
B切り口をしっかり合わせる。その為、あまり接ぐ枝は長く無いほうがよさそうです。

2002年の結果
2001年の結果を踏まえ、主に2〜3月にユズ、花ユズ、金柑、八朔、ミカン、ポンカンを各3〜4箇所に接木しました。結果は23箇所接木し成功19箇所、成功率82%でした。いずれもの種類も2箇所以上活着しましたので、まずまずの成功確率と思います。これならほぼどんな柑橘類でも接木可能という自信が出来ました。2年目で変身!柑橘類の接木は以外と簡単!!

2003年の結果
レモン、グレープフルーツ市販苗、グレープフルーツ実生1(赤実)、グレープフルーツ実生2(黄色実)、スダチ、ネーブル、スイーターの接木を行いました。
実生のグレープフルーツ2種(赤実,黄実)は失敗。いずれも接穂が少し細く枝が充実していなかった事に加え、同じ枝に沢山接木したので栄養が行き渡らなかった様です。

2004年の結果
昨年失敗した品種とデコポンの接木を行いました。
デコポンは接いだあとの生長が早く秋には1m以上に伸びました。ミカン類は充実した穂木を3ヶ所程接木すれば、ほぼ間違い無く2ヶ所は成功する自信を得ましたので、今後は近所や知人などが植えているもので変わったものがあれば穂木を分けていただき、少しずつ種類を増やして行きたいと思っています。又、実生についてもなるべくトライしてみようと思っています。

2006年の結果
2006年も幾つかの種類を接木し、順調に種類が増えると安心していたのですが、2005年に実を成らせ過ぎたのと2006年2月頃にマイナス5度C位の寒波が続いた為と思われますが、6種程接木し2種しか成功しないという散々な結果となってしまいました。しかも接木どころではなく上の方の枝は凍害により、かなり弱ってしまいました。今後当面実成りをもう少し制限し、あまり施していなかった肥料も与え樹の勢力を向上させてから再度接木の数を増やしたいと思っています。
なんせ、枝の勢いが無いと接木どころではない状態に成ってしまいます。
その他、風が強い日が多かった為か、接木テープに直接書いた品種名の部分がちぎれ、せっかく接いだ幾つかの品種名が判らなくなってしまうという失敗もありました。2007年からは別途黄色のビニールテープに品種名を書いて巻きつけています。

その後の接木
2006年までの結果を踏まえ、台木の樹勢を確保、品種名の確実な記載、新たな台木の導入等により、安定した活着が得られるようになっています。現時点ではモモやスモモ等と殆ど変わらないほど容易に接木出来る状態となっています。


夏ミカンの接木 - 4月15日撮影
10月に温州ミカンに腹接を行った夏ミカンの若芽です。2箇所とも成功のようです。この時点では、似てきていますが、宮式高接ぎではありませんでした。
接木の生育状況 - 5月9日撮影
ミカンに接いだ夏ミカンの芽が大部大きくなってきました。ミカンの木の枝の先は大部切り詰めました。芽がもっと大きくなったら元の枝は芽の先で全部切ります。
 
ほぼ完成した接木 - 6月9日
葉も大きくなり枝も伸びはじめました。来年は不要な枝を切り夏みかんの枝をのばす事になります。ミカン類は昨年初めてのトライという事もあり失敗が多く成功率20%位でした。
市販グレープフルーツ接木 - 2003年5月25日撮影
一度に沢山接いだので、枝が不足しこのようなテッペンの方になってしまいました。この時点では宮式を採用しています。
 
一気に多種を接木- 2002年3月21日  
色々な種類を一気に接いだのでこのような姿になっています。早く新芽が出て普通の姿になってくださいね。
接木の芽が伸びた状態 - 2002年9月5日
早春に接いだポンカン、金柑、ユズ、花ユズ、ミカン早生、八朔の芽が伸び50cm程度になりました。
 
3年後の成果 - 2005年11月5日撮影
黄色くなったのがが温州ミカン、正面の黄緑がかって来たのがネーブル、右の緑鮮やかなのがデコポン、少し見にくいですが左の小粒のものが金柑です。その他実は見えないですが、ポンカン、柚子等10種類程接木してあります。
グレープフルーツの子供 - 2002年4月6日撮影
ミカンの木に接木して5年後位に試食出来ることを目標にして種を播いて育てています。

八朔実生 - 2018年11月23日撮影
八朔の実生なえの枝を頂いて接木したものです。大きさも味も本来の八朔に近い実がなりました。

カーブチーの実生苗 - 2012年4月29日撮影
沖縄特産のカーブチーの実生苗です。昔から栽培されている品種の様ですので、親に似た特性の実が成るかもしれません。
カーブチー実生接木 - 2018年4月30日撮影
実生カーブチーをミカンの木に接木してみました。実生ながらトゲが少なく、親の性質に近い実がなりそうな予感がします。

カーブチー実生接木 - 2021年1月9日撮影
実生カーブチーの実です。成っているのに気づかず、一寸過熟気味になっていましたが、上品な甘みがあり、オリジナルのカーブチーに近い気がします。

巨大ボメロ - 2020年1月25日撮影
愛媛県のHさんの知人が育てている大きな実の柑橘です。、実が大きいので、巨大ボメロと呼んでいるようです。枝を頂き、育ててみたら、確かに大きな実がなりました。
巨大ボメロ - 2020年4月14日撮影
左が巨大ボメロ、右がメイボメロです。メイボメロもかなり大き目の実ですが、比較すると大人と子供位の差になります。

巨大ボメロ - 2020年4月14日撮影
右が巨大ボメロ、左がメイボメロです。巨大ボメロは皮がかなり厚いので、食べられる部分は見かけほどの差はありません。

カラタチ雲龍の実 - 2014年9月21日撮影
鑑賞用カラタチ 雲龍の実がなりました。
カラタチ雲龍の種 - 2014年10月25日撮影
実が落下したので種を採取してみました。雲龍は近年採用が多くなった矮性台木の飛龍と同種の様ですので、台木として育成しています。

雲龍(飛竜)- 2018年3月26日撮影
畑に植えてあった雲龍(飛竜)の実生苗です。接木が容易な様、また鉢の数を少なくする様に大き目の鉢にまとめ植えとしました。

カラタチの実 - 2017年5月28日撮影
鑑賞用カラタチの実がなりました。5個実を付けたので、10月ごろ採取し種蒔きしました。台木用です。
カラタチ発芽 - 2018年4月30日撮影
2017年11月12日に種蒔したカラタチの苗です。

カラタチ若木 - 2020年7月24日撮影
別館に植えたカラタチの若木に時期遅れの花が咲き、小さな実を付けました。
若木の実 - 2020年11月15日撮影
別館に植えたカラタチの若木に時期遅れの花が咲き、小さな実を付けました。小さめでしたが種が出来ていたので蒔いてみました。

2020年11月30日: カラタチの若木の画像追加
2020年4月15日: 巨大ボメロの画像追加。
2019年11月27日更新: 台木の画像追加等。
2018年1月23日更新

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