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毛虫について


毛虫を好きな人はあまりいないと思いますが、菜園に取っては好き嫌いは別としてもかなり厄介もので、放っておくと、野菜や果物が全滅状態になることもあります。毛虫の種類によって食べる果物や野菜が概ね決まっており、闇雲に何でも食べるわけでは無く、発生の状況も決まっていますので、特性を良く見極めて発生を抑える事が大切です。
宮菜園でよく発生する毛虫類は以下の様な種類です。

アゲハ
ご存知アゲハ蝶の幼虫です。放っておくと、大きいのでかなりの被害が出ることがあります。
柑橘類、アシタバ、人参、パセリに発生します。
アゲハの卵と幼虫 - 2004年7月17日撮影
アゲハの卵と孵化してまもないアゲハの幼虫です。卵は1箇所に1個から数個産み付けられます。この程度の時期に駆除すると被害は少なくて済みます。
少し成長したアゲハの幼虫 - 2004年7月17日撮影
2cm弱に成長したあげはの幼虫です。このころから食欲旺盛となり、からだが大きくなるとともに徐々に緑色に変化ていきます。

アゲハの老齢幼虫 - 2008年7月4日撮影
そろろろ繭を作る時期のアゲハ老齢幼虫です。このように大きくなると葉を食べる量も半端ではないので、放っておくと葉を丸坊主にされることもなります。
アゲハのサナギ - 2012年1月8日撮影
こんなサナギで越冬しています。

キアゲハの幼虫 - 2011年9月11日撮影
主にアシタバを好むキアゲハの幼虫です。食欲旺盛なので、葉や花を食べ尽くし、種が出来ないのでアシタバが全滅することもあります。
キアゲハの幼虫 - 2012年7月16日撮影
暑くなると発生が多くなります。

アメシロ
極めて食欲旺盛であり、多発すると一本の木を丸坊主にし、さらに別の木に移動します。柿の木等の葉っぱが黄色くなっているのはアメシロの被害が多いようです。柿、梅、スモモ、梨、プルーン、モモに発生します。時々キュウイや葡萄にも発生しますが、あまり広がりません。
アメシロの卵 - 2002年9月8日
アメシロは春から秋にかけて発生します。写真の様に沢山の卵を産み付けますので、全部孵化すると大量の毛虫が発生し、葉が無残に食い荒らされます。
柿木のアメシロの集団 - 5月28日撮影
アメシロの集団です。葉が2,3枚食いつくされ白くなっています。まだ集団で生活しているこの時に駆除しないと、木全体に広がり悲惨なことになります。

イラガ
小さな硬い鶏の卵の様な形をした繭を作るものと、少し盛り上がった長さ2cm、幅 1cm位の繭を作る種類が主に発生種類ですが、たまに青虫のさなぎみたいな形をした目立たない種類も発生します。いずれも触ると非常に痛いので木の手入れや収穫、、駆除するときは十分注意が必要です。柿、スモモ、梨、アケビ、ぶるーべりーに発生します。
イラガの繭 − 2001年4月7日撮影
イラガは触ると非常に痛みを感じる毛虫です。冬になるとこのような卵のような繭を作ります。見つけ次第つぶしておく必要があります。この繭から蛾になり、蛾が卵を産む訳です。
イラガの卵 - 2004年6月19日撮影
イラガの卵は黄色で表面が透明の幕で被われた塊となっています。
葉の下側に産み付けることが多いので、木下から点検し、見つけたら葉ごと取り除きます。

孵化したばかりのイラガ - 2004年6月22撮影
孵化した直後は葉を集団で食害しています。まだ広がらないこのころ発見して駆除する事が大切です。食害されている葉はすぐ判ります。スモモ、アケビ、柿、梅類等の葉に発生します。
少し大きくなったイラガ - 2001年6月24日撮影
新しい葉に移動し食害を始めようとしているところです。これ以上大きくなると個別行動を取るようになり、駆除が厄介になります。毛に触ると皮膚が腫れて非常に痛みを感じます。

クルマスズメ
葡萄にはあまり毛虫は付かないのですが、このクルマスズメは葡萄の葉が特に好物の様です。大きな木では被害はあまり問題になりませんが、幼苗の場合葉を食い尽くされ、最悪苗が枯れると言う壊滅的な被害になる場合もあります。
幼齢幼虫 − 2008年9月7日撮影
小さいときは概ね緑色であり、葉の色と同じで発見しにくいです。
老齢幼虫 − 2008年9月7日撮影
大きくなった時点では、写真の様に茶色っぽい種類と緑色の種類がいます。

コスカシバ
木の表皮の部分に食い入り、虫糞をだしながら、幹の浅い部分や形成層を食い荒らします。木が弱り、最悪枯れてしまうこともありますので、虫糞を見つけ次第皮を剥き駆除しておく必要があります。
コスカシバの糞 - 2002年3月21日撮影
スモモ、モモ、ユスラウメ、梅類、葡萄などの木の幹に写真のような糞が出ていることがあります。これはコスカシバの幼虫の糞です。雨の日などはこの部分から寒天状の物質が噴出している事もあります。
コスカシバの幼虫 - 2002年3月21日撮影
糞の出ている部分の皮を削ると中にコスカシバの幼虫がいて木質部と皮との間をトンネルの様に食害しています。このままほっておくと木が枯れることもあります。見つけたら早めに駆除した方が良いです。

テッポウムシ
テッポウムシと言われているのはカミキリ虫類の幼虫です。木の幹に食い込んで芯の部分を食い進むので芯食い虫とも呼ばれている様です。リンゴや無花果、葡萄等で被害が多く出るようで、最悪の場合木全体を枯らしてしまいます。
コスカシバの幼虫の場合、表皮の部分だけの食害ですが、テッポウムシの場合幹の中心付近を食い進み、食害の量はけた違いです。木の所々に穴が開き、虫の糞が吹き出していたらテッポウムシの被害を受けている証拠です。
虫糞が出ていたら、早めに殺虫剤を注入して駆除する必要があります。
家庭用の噴射用のノズル付き殺虫剤であれば、ハエや蟻、ゴキブリ用等何の殺虫剤でも良い様ですが、出来れば効能にキクイムシやシンクイムシの表示が有った方が確実かも知れません。噴射ノズルを穴に挿入し、穴の周りをガムかなんかでふさぎ殺虫剤を注入します。虫の食い進んだ穴が長くて生き残る場合もありますが、1,2ヶ月して虫糞が出ていたら再度注入すればほぼ100%駆除出来ます。

ネキリムシ
ネキリムシという正式名称は無いかもしれませんが、老齢幼虫になると土の中にもぐり、植えたばかりの野菜苗を根元から食いちぎる毛虫を勝手にネキリムシと呼んでいます。
根切り虫の幼齢幼虫 - 6月2日
根切り虫の元になる卵から孵ったばかりの幼虫です。生長すると黒くなり土にもぐります。葉に小さな穴が空き出したら葉ごと駆除しないと根切り虫だらけになります。
根切り虫 - 2001年4月22日撮影
蛾の幼虫です。卵から孵化した直後は葉に群がっていますが、大きくなると土の中にもぐってしまい、新芽や若葉だけでなく苗を根元から切り倒します。

ハバチ:
当菜園では2002年頃〜スモモの木で発生しています。葉が穴だらけになり見苦しいのは勿論、初夏〜秋にかけて大量に発生し大切な葉を食害するのですが、散発的に木全体にまばらに発生し駆除に手間がかかるので毛虫以上に難儀しています。発生したら薬剤で駆除すると比較的簡単に退治出来るようですが、薬剤はカマキリやテントウムシにも悪影響があるので、食害している幼虫を手で一匹づつ捕殺する様にしています。
ハバチの幼虫 - 2004年6月15日撮影
最初2mm位の大きさですが、さなぎになる直前は1cm程度まで大きくなります。大きくなると食べる量も多くなり、被害も大きくなります。1枚の葉に1〜3匹位います。
ハバチの成虫
成虫は一応飛ぶようですが、あまり動きは素早くありません。みつけたら捕殺するようにしています。

ブドウスカシクロバ:
当菜園では2002年頃〜スモモの木で発生しています。葉が穴だらけになり見苦しいのは勿論、初夏〜秋にかけて大量に発生し大切な葉を食害するのですが、散発的に木全体にまばらに発生し駆除に手間がかかるので毛虫以上に難儀しています。発生したら薬剤で駆除すると比較的簡単に退治出来るようですが、薬剤はカマキリやテントウムシにも悪影響があるので、食害している幼虫を手で一匹づつ捕殺する様にしています。
ブドウスカシクロバ- 2014年6月29日撮影
体長10数mmになる黄色っぽい幼虫です。その名のとおりブドウの葉が好みのようで、初夏にブドウの葉が穴だらけにされていたら、この毛虫に食害されている事が多いようです。
ブドウスカシクロバとカマキリ- 2014年6月29日撮影
カマキリが緑で小さい為少し判別がしにくいですが、ブドウスカシクロバの幼虫がカマキリの子供に食べられているところです。


蓑虫
あまり目だった被害はありませんが、数がおおくなると葉が食い荒らされて見苦しくなります。また接木した新芽を食べられることがありますので、特に早春は要注意です。見つけ次第捕殺しておいた方が無難です。
蓑虫 − 2004年4月3日撮影
木の枝に枯枝でも付いている感じでつい見逃してしまいますが、蓑虫は木の新芽を食べたり、細めの枝の樹皮を食べて枝を枯らしたりと、結構悪さをします。ただぶら下がっているだけと思ったら大間違い、結構木から木へ枝から枝えと素早く動き回っています。

モンクロシャチホコ

モンクロシャチホコ - 2011年9月3日撮影
少し大きくなった(1cmほど)のモンクロシャチホコです。食欲旺盛な毛虫で、老齢になると5cmほどにもなり、木を丸裸にするまで葉を食べまくります。
モンクロシャチホコの被害 - 2011年9月3日撮影
このように葉を丸裸にしてしまいます。街路樹の桜なんかが夏に枝だけになっているのは、モンクロシャチホコの被害である場合が多いようです。


不明毛虫(名称未調査)

梅等の新芽を食害する毛虫 - 2009年4月29日撮影
春先に梅、スモモ等の新芽を食害する赤黒い小さな毛虫です。葉芽が少なく、不定芽が出にくい梅の被害が大きくなりがちですが、スモモ等も食害します。
梅等の新芽を食害する毛虫 - 2009年4月29日撮影
新芽が少なくなると若芽も食害するようです。

ヨトウムシ

幼齢幼虫 - 2011年9月17日撮影
アシタバに発生したヨトウムシの比較的初期の幼虫です。このように固まっているときに発見し駆除すると被害が少なくて済みます。
老齢幼虫 - 2010年4月29日撮影
成長するとフキの葉なども食べるようになります。


2015年3月17日撮影
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